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2017年7月14日 (金)

嵐メンバー主演映画に変化の兆し?忍びの国ナラタージュ大人客を魅了する良作続く

リアルサウンド記事より
嵐のファンにとっては当たり前すぎてもはや考えることさえないことかもしれないが、これまでの嵐の各メンバーのフィルモグラフィーは少いびつである。声だけの出演などを除いたメンバー単独出演作品に限るなら、松本潤は2013年10月の陽だまりの彼女が、櫻井翔は2014年3月の神様のカルテ2が、相葉雅紀は2014年11月のMIRACLEデビクロくんの恋と魔法が、二宮和也は2015年12月の母と暮らせばが今のところ最新の公開作。現在、主演作品忍びの国がヒット中の大野智も、その前の単独出演作となると2011年11月の映画怪物くんだから、実に約6年ぶりに主演映画が公開されたことになる。

話題や観客が分散しないよう、同じ時期に複数のメンバーの出演作が公開されるのを避けてきたのは大前提として、各メンバーの主演作品の間隔が3年や4年開くのも当たり前。言うまでもなく、嵐のメンバーの本業は嵐としてのテレビ冠番組やコンサートツアーなどの活動であり、各メンバーの役者の仕事に関しても、これまで映画よりもどちらかというとテレビドラマの方が優先されてきたことは、それぞれの出演作品の本数からも明らかだ。
その結果どんなことが起こったか?例えば二宮和也は、クリントイーストウッド監督硫黄島からの手紙における名演技によって世界中で注目を集めたのにもかかわらず、その後、海外に進出をするどころか、国内での役者活動においてもそれまでのペースが大きく変わることがなかった。身体が一つである以上、それは仕方のないことだし、グループとしての活動を最優先することは、嵐のファン、事務所、そして何よりも嵐のメンバー自身自分は相葉雅紀以外の4人のメンバーと役者の仕事についての比較的長いインタビューをしたことがあるが、嵐での活動に関しては異口同音に強い思いを語っていたが望んでいたことだった。主に役者の仕事を通じて嵐と接点を持つ自分の立場もちろん音楽作品も聴いてますがからすると、もったいない!と思うしかなかったが。
そんな嵐のメンバーの出演映画に、今年に入ってから変化の兆しがある。現在公開中の忍びの国の監督は中村義洋。大野智にとって中村義洋監督は、映画の出演作品としては前作にあたる映画怪物くん以来の勝手知ったる仲ということになる。あまり自分から積極的に慣れない環境に溶け込もうとはしないあくまでも取材での発言から受けるイメージですが大野智にとっても、作品に集中しやすい環境であったはずだ。
しかし、同じ監督主演タッグによる作品であるにもかかわらず、映画怪物くんと忍びの国とでは、作品から受ける印象は大きく異なる。子供の観客でも楽しめることを念頭に置いていた映画怪物くんと違って、忍びの国は和田竜による原作からしてかなり精密な構造を持った謀略ものの時代劇。中村義洋監督はそんな物語に真正面から取り組み、観客によっては置いてきぼりになってしまいかねないほどスピーディーかつ巧みな語り口で映像化してみせている。白ゆき姫殺人事件予告犯残穢-住んではいけない部屋-と、ここ数年、シリアスな現代劇においても充実した作品を残してきた中村義洋監督の手腕が存分に発揮された、手加減なしの直球。忍びの国は一言で言うと、ストーリー自体が滅法面白い快作となっていた。
一足早く観ることができた、今年10月公開の松本潤主演作品ナラタージュの見事な仕上がりにも強い感銘を受けた。こちらの原作も大人向けの、島本理生によるベストセラー恋愛小説。監督は、コミック原作映画全盛期のこの時代にあって、敢えてコミック原作の企画を避けて大人向けの作品を作り続けてきた行定勲ナラタージュの次作となる岡崎京子原作リバーズエッジで初めてコミック原作に挑むこととなった。いかにも行定作品らしい、高湿度の色っぽい質感の画面で2時間20分にわたってじっくりと語られる、一人の女と二人の男の揺れ動く心の動き。嵐のメンバーの主演作品というと、スター映画的に主人公だけが立った作品をイメージする人もいると思うが、本作における松本潤は主要キャスト3人の1人としてのバランスを最後まで保ち、男のカッコよさだけでなくカッコ悪さも赤裸に表現して、作品の高い完成度に貢献していた。
思えば、嵐のメンバーも全員がもう30代半ば。アイドルとしてはまた別の話になるのだろうが、少なくとも役者としては、今後も精力的に活動して充実したキャリアを歩んでいくのか、あるいは役者の仕事からは距離を置くことになるのか、演じる役柄の年齢的にも大きな岐路に立っている時期だ。そんな重要なポイントで、こうして各メンバーの主演映画で大人向けの良作が続いていることは、今後大きな意味を持つことになるはずだ。また、その背景には、かつてのテレビドラマと映画のメディアとしてのパワーバランスが現在崩れつつあって、映画の価値が相対的に高まっていることもあるだろう。
松本潤主演作ナラタージュ以降も、今年11月には二宮和也主演作ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜が公開、そして来年には櫻井翔主演作ラプラスの魔女、さらには木村拓哉と二宮和也のダブル主演作検察側の罪人と注目作の公開が控えている。ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜は滝田洋二郎、ラプラスの魔女は三池崇史、検察側の罪人は原田眞人と、それぞれの作品を手がける監督も、日本映画界を代表するビッグネームばかり。今年から来年にかけて、大人向けの実写日本映画のメジャー作品の底上げの鍵を握るのは、嵐のメンバーが主演する作品になっていくのではないか。そんな予感がする。

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